今回ご紹介するのは、「【DVD】HISTORY TOUR IN ROMANIA(ﾋｽﾄﾘｰﾂｱｰ ｲﾝ ﾙｰﾏﾆｱ）」です。
1994年6月14日、HISTORY WORLD TOURがスタートしてわずか3会場目。
場所はDANGEROUS WORLD TOURの際、あの唯一の公式ライブDVD、「ライブ･イン･ブカレスト」が生まれたルーマニアのブカレスト、Manoliu Stadium。（同ステージは「【DVD】DANGEROUS WORLD TOUR BBC Version(ﾃﾞﾝｼﾞｬﾗｽﾜｰﾙﾄﾞﾂｱｰBBC」に収録。)
約4年ぶりの凱旋という事と、新しいステージのお披露目という事で、否が応にも気合が入ってしまいます。マイケル38歳。

1993年11月11日のメキシコシティでの公演を最後に、急遽中止になったDANGEROUS WORLD TOURから約3年、全世界が待ちに待ったHISTORY WORLD TOURが1996年9月7日チェコのプラハからスタートしてわずか1週間。

前回の公演（ライブDVD「ライブ・イン・ブカレスト」または「【DVD】DANGEROUS WORLD TOUR BBC Version(ﾃﾞﾝｼﾞｬﾗｽﾜｰﾙﾄﾞﾂｱｰBBC)」に収録）で失神者続出のブカレスト。やはりマイケル登場前から会場は異様な熱狂に包まれる。
DVDのスタートはオーディエンス映像？と思うようなかなり遠めの客席（スタンド席）から取った映像。画像は悪いが、開演直前の観客の期待感が味わえる。
恒例のオープニングムービーも途中まではオーディエンス映像(?)とプロショット映像を織り交ぜた感じの仕上がり。
マイケル登場後、1曲目の「Scream」以降はプロショットオンリーに切り替わる。

さて、ステージは大歓声の中スタート。まだまだ体のラインも多少ふっくらしたマイケルが登場。パワーも蓄積され、体のキレ、声のハリは抜群！
そしてお気に入りのブカレスト。MC時の表情も含め、終始機嫌も良く、見るからにノッている。

セットリストもレアな「The way you make me feel」、「Come Together」、「D.S.」、さらには激レアのOff The Wallメドレー（「Rock with you」～「Off the wall」～「Don't stop till you get enough」）もきっちり収録。当時の楽曲のファンの方にはたまりません！

HISTORY WORLD TOURも序盤中の序盤という事もあり、いろいろ試すようにいつも（その後のツアー）と若干違う振り付けをしている場面がが存分にちりばめられていたり、「Thriller」も調レアな赤ジャケット（普段の衣装は白）。当時のショートフィルムのイメージが一瞬にして浮かび上がる。
「Come Together」「D.S.」も貴重な赤ジャケット（他にこの楽曲が収録されたDVDは全て青ジャケットだった）など、このDVDは衣装のレアさも印象深い。



（このDVDの画像ではありません。画質はこの動画と似たようなイメージで、この動画よりもう少し暗い感じです。）


ステージ前半の全身金色の衣装もまだ着慣れていないのか、「In the closet」の最中、左の腕に装着しているプロテクターを歌いながら外そうとしているのだが、なかなか思うように外れず、その間に後ろのダンサーと共に決まった振り付けをしないパートが迫ってきてきてひとまずあきらめダンスに入り、再びフリーパートに突入したら再度チャレンジしたりしている間についに曲が終わってしまい、結局スタッフに外してもらっているかわいい仕草も垣間見れる。
「Earth song」のラストで、マイケルが戦車を止める名シーンがあるが、戦車が止まるタイミングがつかめず、止まってからマイケルが飛び出したりなど、立ち振る舞いに慣れていないツアーでしか観ることができないちょっとしたエッセンスを見つける事もまた楽しい。ヒストリーツアー後半のDVDではなかなかそういった穴を見つけづらい。
しかしながら、改めてヒストリーツアー後半のDVDをいくつか見ていても、わずか3公演目のルーマニア公演で既に完成形に限りなく近づいてしまっている数々の新しい演出や、全ての難しくて細かすぎる演出が、回を重ねるごとにさらに完璧に近づいていっているのはさすがマイケルといったところ！
マイケルのことだから、たぶん我々の想像をはるかに超えた量や質のリハーサルを重ねてきたことだろう。。。

デメリットは画質や音質。画質は中の下、音質も良くはない。曲の切れ目は多少ブツ切り感がある。
「Billie Jean」が前半の演出部分と曲の部分が分かれて収録されている。しかも曲の途中でカットされているのが残念。他のヒストリーツアーのDVDでほとんど収録されているので、「Billie Jean」のみに関しては他で代用するしかない。

が、トータルすると、観客との一体感、曲目の圧倒的な多さ、マイケルのダンス、カメラアングル共に見ごたえのある出来上がり。
他のDVDで代用できない部分も多く、オススメのタイトルです。